針葉樹
アスナロ

ヒノキ科Thujopsis dolabrata

木曾五木の1つに数えられているヒノキ科に属するアスナロ(翌桧)は、関東平野より以西に分布している。アスナロ変種と見られるヒノキアスナロは、北海道の渡島半島南部から栃木県日光付近を南限として分布し、主に下北半島と津軽半島に群生していて青森ヒバと呼んで取引され、日本三大美林の1つに数えられている。他に変種のヒノキアスナロもあり、総称してヒバとしている。
青森ヒバはアスナロ属の木ですが、その性格がアスナロ(翌桧)と違い秋田杉と同様に、枝が接地した所に根を下ろして新たな樹がそこから成長します。アスナロは種子からしか発芽しません。青葉ヒバはアテが強く、「アテ」とも呼ばれ、青森ではヒノキとも呼んでいます。一般の木材に対しては農林規格にアテの欠点規定はありませんが、青森ヒバについては特別にアテの規定があります。
青森ヒバは木曾檜の3倍、秋田杉の7倍くらいの蓄積量があります。この木は幼齢期の対陰性が強く、暗い太陽光の届かない林の下でも枯死しないで50年もかけて1mの木に成長した例もあり、200年も地下で耐えていたと見られる例さえもあります。しかし、幼木を覆っていた上の樹木が伐採されたりして取り除かれて太陽光に接するようになると、急速に成長を開始して、1年で60cmも樹高を伸ばします。天然林の青森ヒバはこのような自然更新をしてきた関係から平均500年生くらいといわれています。現在では300年を越した樹齢の樹木は非常にまれでわずかしか残っていません。青森県下北半島の東通村の太平洋岸にある猿ケ森には、約800年前の大津波によって埋没したヒバの純林が発見されました。その木は現在でも立派に使用に耐える材質です。
特 長
心材の色:帯黄白色
辺材の色:淡黄白色
心・辺材境界:明瞭
斑の模様:不明瞭
硬さ状況:中庸
鋸挽加工性:容易
鉋掛加工性:容易
腐食耐久性:強靭
磨耗耐久性:弱い
糊付接着性:良好
乾燥加工性:やや困難
主用途
青森ヒバは東北方面の神社仏閣に多く使われていますが、薬用成分が含まれているために湿気や腐れに対する耐久性が強い性質も証明され、水湿耐朽性が強いので建築では圧倒的に土台に多く使われます。風呂用材にも適し、鉄道の枕木材としても優秀です。
反面ヒバの欠点はアテが強く材内各所に出ます。寒冷地に生育しているので樹皮が薄く材の表面近くで凍裂がよく発生します。
アスナロは、その名前の由来が「枕草子」に「明日は檜になりたい」という意味からこの木の名前が付けられたものと書かれています。
ヒバは刃当たりが良く俎板(まないた*)に適しています。また常に香りの強い木で、室内の装飾材としては香りが嫌われる場合があり、あまり使われません。
アスナロ