東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第55回)

森と木の国あきた展2015 in 新宿

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


【新宿パークタワー1F アトリウム】 10月7日から3日間開催され、8日(木)に見学した。主催は、秋田県、秋田県木材産業協同組合連合会。後援は林野庁。秋田県下17の企業が参加。同時に、8Fのセミナールームでは、専門家による説明会が開催。大都会の片隅の静かな空間に、秋田杉の香りが漂い気持ちがなごむ一時であった。秋田県は、県土の7割が豊かな森林に覆われ、特に秋田杉は日本三大美林の一つとして広く知られている。又、秋田杉は森林面積も資源蓄積も日本一との事。

吹き抜けの広い空間に、各種の木材製品が山盛り。

荒縄をまとった「なまはげ」が飛び出した。

 秋田県は、製材、合板、集成材工場が立地する全国的にも稀な木材産業の集積地であり、加えて、木工品、家具、建具等伝統技術や高度な加工技術を駆使した製品も多い。

木材を曲げる道具。「わっぱ」、「椅子」等を造る。

「アミパネル」(杉の間伐材)。山小屋みたい。

【白神山地に隣接する能代】 今回の展示に参加した企業の中では、能代の会社が多かったので調べてみた。能代山本地域は、秋田県の北西に位置し、1市3町(能代市、八峰町、藤里町、三種町)から成っている。地形は、地域のほぼ中央を東西に米代川が流れており、北は世界自然遺産の白神山地が連なり、西は日本海に面して日本五大松原の一つに数えられている「風の松原」が広がっている。又、日本三大美林として名高い秋田杉の主要生産地であり、日本海へ注ぐ米代川の河口周辺に位置する能代市は、木材関連の工場が集中しており、古くから「木都」と呼ばれ木材産業が発展してきた。

「寄木」の逸品。書類や小物を入れる文箱。

「もみがら」と「木材」とのコラボ。

珍しい木工品に関心をしめすご婦人。

「木材」と「和紙」の行燈(あんどん)。

メーカーによる燃焼試験。燃え広がらない工夫が。

「格子」。芸術的で美しい。和みますね。

◆能代の某社パンフレットに感動的な事が書いてあったので以下に紹介します。◆


We want to pass on the Wonderful Culture of Wood.
素晴らしい『木』の文化を伝えて行きたい。

 The Japanese have had a deep relationship with wood for a long time, as is evidenced by the following passage in Japan's old book of history, Nihon Shoki(The Chronicles of Japan):
 “ build boats with cryptomeria(杉)and camphor(楠), build palaces with Japanese cypress(檜), and build coffins with fern pines(槇).”
 As the Japanese have maintained this deep relationship with wood, they have created a unique culture of wood unlikely any other in the world. In appreciation of aesthetics and traditional craft developed by Japan, please use your own eyes to lovingly choose the beauty and functionality of wood.

 “日本で最初に作られた歴史書『日本書紀』に、「杉と楠(くす)は船を、檜(ひのき)は宮殿を、槇(まき)は棺を作れ」と記載されているように、日本人は古来より木と深く関わり合いながら、世界でも珍しい独特の木の文化を造ってきました。そんな日本人が育んできた美意識、伝統的な技術を大切にし、『木』の美しさと性能をご自分の目で愛情を持ってお選び下さい。”

 『木』の美しさ、有用性、素晴らしさに改めて感謝し、色々と勉強になった一日でした。

【平成広場の満月とカラス】 地球温暖化(?)による樹木の傷み、枯死拡がる。

9/28(月)午後10時。久し振りのきれいな満月。

10/4(日)午後。桜の切り株の不敵なカラス。

参道の猛暑の照り返しで苦しむ欅の大木。

枯死した欅の切り株。こうなりそう…で心配。

【最近の雑感】ラグビーW杯(イングランド大会)で、五郎丸選手他の大活躍によりラグビー熱が大いに高まった。残念ながら、3勝1敗の大健闘でも決勝には進めなかったが、4年後の東京W杯に国民の期待がかかる。私は、ルールも知らなかったが、激しいぶつかり合いに感動した。又、日本人科学者2人のノーベル賞受賞が決まったことも明るい話題になった。毎日、無数の出来事が起きるが、平穏な日本で良かったと感じる。自分の他愛ない人生にも色々な波風はあるが、週末の氷川参道の散策や平凡な日常の静けさの中に、有難さを実感し、これから先を想う。間もなく、年末の慌しい時期を迎えるが、健康にも注意したい。

 

2015年10月11日(日) 記
 

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