東京木材問屋協同組合


文苑 短歌


深川

酒井利勝

両岸の森黄葉せる中川に鴨六羽ゐて夕冷えまさる

役割を終えし運河に鴨遊び中川船番所資料館立つ

五間堀六間掘ありきその名さへ止どめず消えし川いく流れ

人が掘り人が埋めし深川の川いく筋や二百年経つ

海洋大学公開講座 日本丸の元船長が説く星座航法

公開講座 終つた秋の夜門仲に安い中華を友と喰べてゐる

此の年も十一月と盃を掲ぐる友の白髪増えたる

豊なる白髪を振り友が云ふ辰巳藝者の多かりしかな

集ふ者七人となり半世紀の木場旦那衆の浮き沈み語る

辛うじて浮いてゐるよと自嘲して五十年来の友ら乾盃





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