八月雑詠
深川木好
一,熾烈なる摺鉢山の激戦に 死す兄偲び戦さ許さず
一,猛暑にも負けず元気に声を出し 少年剣士体鍛える
一,孫娘赤い大きな麦藁帽 被り車で海へ吹飛ぶ
一,網戸越し稲穂を揺らす風の去り ふと想い出す故郷の廃家
一,貧しくも眞面目生きし若き日の 苦労積年今は幸福