師走
深川木好
一,秋雨の降り続く中角乗りを 帰る人なく妙技見つめる
一,柿の実も日毎朱色の艶を増し 玉の簾や夕陽に映ゆる
一,上木場の材友会の清遊は 伊豆の伊東に秋を訪ねる
一,七五三両家揃いて撮る写真 恵比須大黒笑のこぼれる
一,送られし蝗佃煮肴にし 雪待つ古里の刈田想ほゆ
一,鳥年も飛やうに去り早や師走 鳴かず飛じの我等業界