梅匂う
深川木好
一,六十三姪我よりも先に逝き 無常の寒気浦賀葬場
一,七十四誕生祝い励ましに 吾娘千枚の半紙贈れり
一,朝昼晩倉庫を掃いて客待てど 来客まばら一日暮れゆく
一,歳月の風の如くに過去りて 飛ばされんとぞ今日を生き抜く
一,老梅の匂う如くに人生を 年輪刻みよろこびを知る