三月雑詠
深川木好
一,朝五時に散歩楽しむ此の頃は 四十代に戻りし気分
一,水温む清澄庭園一巡り 亀固まりて甲羅干し合う
一,小一の孫と造りし風呂簀の子 桧の香り湯気と漂う
一,一桁の昭和生れの我なれば 習字用紙に真黒に書く
一,人住めず木の香も失せて新木場は 義理人情も薄れゆく春