日本人 教養 講座 「日本刀」…Japanese
Sword…
「♪一家に一本 日本刀♪」
其の21〈入門編〉
愛三木材・名 倉 敬 世
ご家庭でも美術館でも結構ですが,皆様の目の前に,一本の刀が有ると致しましょう。先ず,1.これは本当に斬れるだべ〜か。 2.なんぼ位すんだべ〜か。を考える前に別記の図解をチラッとでも思い出して頂ければ,その時点で「日本文化」に入門です。
世界や日本の刀の歴史はこの講座が始まって以来,一年半に亘り話して参りましたが,どうも「コマカイところが良く解らん」と云うご指摘も頂いておりますので,この辺を踏まえて,改めて初歩の初歩からご婦人でも解る様に解説を致して見ましょう。
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イ. |
鋒…(切先・キッサキ)…帽子(ボウシ)と同異語。 |
ロ. |
横手…ヨコテ…切先の下と平地(ヒラジ)の交わる線。 |
ハ. |
三ッ頭…ミッガシラ…小鎬と横手と平地の交わる角(カド)。 |
ニ. |
小鎬…コシノギ…切先の棟(ムネ)から横手までの線。 |
ホ. |
刃先…ハサキ…刃の付いている先端。物打ち三寸。 |
ヘ. |
平地…地とも平とも言う…鎬地より刃先までの全体。 |
ト. |
棟…ムネ…刃先の反対,厚い方。 |
チ. |
鎬…シノギ…刀の中心線。 |
リ. |
鎬地…シノギジ…棟と鎬の間。 |
ヌ. |
刃文…ハモン…刃の紋様。 |
ル. |
棟・刃の区(マチ)。棟や刃の終わりの角。 |
ヲ. |
茎…ナカゴ…中心とも書く。柄の下,銘の記載場所。 |
ワ. |
茎先…ナカゴサキ…刀身の最後。後日に図解。 |
カ. |
鑢目…ヤスリメ…茎に掛ける鑢の掛け方。後日に図解。 |
ヨ. |
銘…メイ…製作者の鍛冶名。後記に図解。 |
タ. |
目釘孔…メクギアナ…柄に刀身を留める為の穴。 |
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A 刀剣の種類
太刀とは馬上での使用が本来である為,普通は二尺五寸〜8寸が定寸であり,左腰に刃を下にして吊るして使用します。作者銘は柄の下で見えませんが外向きになります。
これが太刀と刀との本来の違いなのです,良く長さで区別をされる人がおられますが,それは×です。刀は主に地上で使われますので各自の身長に合わせた使い易い寸法に作られて,二尺三寸(70cm)が定寸です。銘は刃を上にして左腰の帯に挟んで使用されましたので,太刀とは逆に彫られていますが,やはり外側に向いております。
銘の位置は鑑定上大変に重要なのですが,何事も例外は有りまして,古刀では青江に新刀では肥前,越前,に太刀銘と刀銘を逆に打っている刀工がおります。
脇差と短刀は刀と同じ側に銘を切り,薙刀は古刀は太刀と新刀は刀と準じています。剣は同形ですので真中に切ります。
尚 古刀とは平安前期から慶長五年(1600・関が原)迄, 約800年。
新刀とはそれ以降,文政十二年(1830)迄, 約230年。
以後,新〃刀(廃刀令・明治三年(1870)迄, 約50年。
以降,現代までが現代刀。 約130年。
計1200年以上でござる。
B 造込みの種類及び形状
☆今回はここ迄と致し,最後に国宝の小太刀の姿をご覧下さい。
※次回は,切先,茎,刃紋,等を紹介いたします。 |
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