一休和尚像 自賛 伝曾我墨渓筆
一幅 絹本著色 室町時代
奈良国立博物館
一休和尚像には右脇に杖ではなく,朱塗
太刀拵を立てかけた作品が多くある。一休
が泉州堺で太刀を引き摺るように街を歩い
たことを『一休和尚年譜』は記載している。
これは外見だけを立派に飾った武士たちに
対し,いくら立派な太刀を佩いても中味は
竹光同様だと,痛烈な皮肉を画像に描いた
ものである。 |
豊臣秀吉画像(伝狩野山楽筆)
一幅 紙本著色 江戸時代
(原品 重要美術品)大阪 豊国神社
数多い秀吉画像の中では異色の作品で,精悍
な容貌は独特の迫力をもち,唐冠をかむって
曲ろくに座り,左脇に長大な太刀を立てた構
図は武将を強調するためであろう。画面上部
に,「豊国大明神 秀頼書」と,その左側に
秀吉自筆の辞世和歌草稿と思われる和紙を貼
りつけている。 |