東京木材問屋協同組合


文苑 随想

脳梗塞に気をつけよう
─7月から9月に多い─

榎戸 勇


 脳卒中による死亡は癌(ガン)に次いで多い。そして意外にも8月が1年中で一番多いのである。2月頃の北風ヒューヒューの寒い季節が多いと思っている人が多いが、8月は2月よりずっと多いらしい。

 脳卒中の3分の2は脳梗塞だ。MRIで診断すると、40代では3人に1人、50代では2人に1人、60代になると8割以上の人にきわめて軽い脳梗塞が発見されるとのことである。
 脳梗塞には次のような前兆がある。
(1) 手足や顔面などの左右どちらかがしびれ、力(チカラ)が入りにくくなる。食事中に箸を落としたり、歩く時に足がもつれたり、手足の感覚が鈍くなる。
(2) ろれつがまわりにくくなる。
(3) 片目が見えにくくなり、物が二重に見える。視野が狭くなる。
(4) めまいがしたり、足がふらつく。

 このような症状が現れたら要注意だ。
 私は6月で満86歳になった。そして上記の前兆の全てがある。特に75歳を越えた頃から、これはどうも変だと思うようになった。うす暗い頃車を運転していると、100m位前を走っている車が、その車の右の方にも1台走っているように、二重に見える。視野が狭くなって、横から飛び出てくる子供や自転車に気づくのが遅い。人身事故を起こしては大変なので77歳の誕生月で車の運転をやめた。

 さて、それでは脳梗塞を予防するにはどうしたらよいのであろうか。
 脳梗塞は血管が詰まって発症する。従ってそれを予防すればよい。夏は汗をかくので体の水分が減って脱水症状になり、血液が濃縮するので血管が詰まりやすくなる。またエアコンなどが効いた部屋に長く居ると室内の空気が乾燥しすぎて脱水症状になることがある。梅雨時は空気の湿度が高いので、息苦しければエアコンを乾燥にセットしてもよいが、室内の湿度が50%以下になったらエアコンを止めなければいけない。現在はどのオフィスも家庭も弱冷房なので室内の湿度は50%を越えているので、その心配は少ないと思う。
 それから、次のことを守るのがよい。
(1) 喉(ノド)が渇く前にこまめに水分を補給する。コップ1杯の水が体全体に行き渡るには15分から20分かかるので、水は少しずつこまめに飲む。
(2) 寝る前と朝起きた時は水をコップ一杯ゆっくりと口に含んで飲む。水道の水温の温度の水がよい。冷たい水はいけない。冷水をゴクゴク飲むと血管が収縮し血液の通りが悪くなるので、冷水を勢いよく飲むのは危険である。常温の水をゆっくり飲むようにする。
(3) ビールの一気飲みは危険である。アルコールを飲むとトイレに行きたくなり、体内の水分を出してしまうし、冷たいビールは(2)で述べたように血管を収縮させてしまう。
(4) 1日に水を1.5Lから2L飲むようにする。

 以上の注意を守って脳梗塞を予防して頂きたい。人は皆脳梗塞の予備軍であることを忘れず、この夏を、そして来年の夏も、何年も何年も長生きして頂きたいと思う。
 この文章『読売新聞』の夕刊に一部分簡単に載っていることも参照したが、大部分の内容は平田会計事務所(富岡一丁目)の『マネジメントインフォメーション』7月号を参考に書かせて頂いた。
 先日十日会の月例夕食会でこの話をしたところ、誰も知らなかったとのことで熱心に聞いてくれたので、組合員の皆さんにも要点をお知らせして、皆がお元気で長生きして頂きたいと思い筆をとった次第である。
 この暑さ、ビールの大ジョッキをゴクゴクと一気に飲みたいところであるが、それは我慢してください。

平成23年7月6日 記

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