東京木材問屋協同組合


文苑 随想


日本の文化 「日本刀」…Japanese Sword…

「♪一家に一本 日本刀 スカッーと爽やか日本刀♪」

其の100回のチト半端。
…正真正銘の最終回…

愛三木材(株)・名 倉 敬 世

 サ〜テ、誠にお恥ずかしい話ですが、この連載も8年3ヶ月を掛けて先月号で目出度く100回を迎え大団円の予定でしたが、事も有ろうに最後の〃〃で飛んだミスが出ました。
 と申しますのは、小生は昔より?(へん)な拘(こだわり)が2〜3ございまして、その1つに文章を認(したため)る場合にはその一行の文字列は一字と言えども凸凹(でこぼこ)に過不足が出来ぬ様にする事であります。
 その為に文字の納まり具合にはかなり気を使っている心算(つもり)なのですが、先程も五月号が参りましたので、チョイとチラ見を致しましたら、我が信念とは大いに異なり、「驚ろ木、桃の木、山椒木」の乱れ様で、長年の志(こころざし)が画餅に帰し、残念、無念、心太(ところてん)で候。

 その様な訳で今回は何処が間違っていたのかを見て頂くと共に、その個所の訂正をさせて頂き度いと思います。

 先ず始めに五月号の31頁の全文を載せて修整する個所の文字を薄字にしますので、
具眼の方は検証をお願いします。文章の流れは、腕の良い「現代刀工」の紹介からであります。

 
太 刀 銘 松田次泰 長さ81.0cm(二尺六寸七分)平成十九年春吉日 無鑑査。
平成十八年度の「新作名刀展」でトップの「高松宮記念賞」を受賞した作品であります。
 

この刀工は刀鍛冶になるべくして、この世に生を受けたと言っても過言では無い人で、以外の事は脳内にカケラも無く、新刀を飛び越えて鎌倉時代の古刀の地鉄(じがね)一筋でご猿。近頃ようやく奥義を極めたとの事なので、将来が大変に楽しみだが、完壁を追求するので注文刀の出来上りが遅いのが難点であり、家庭の大黒様のヤリクリが大変だと推察を致す。
 但し、昨年『日本刀・松田次泰の世界』と云う本を出したが、イラストの押絵が抜群に
上手で解説も判り易く意外に難解だと云われる刀剣だが、この本はプロ・素人を問わず解説書として最適、ヒョットすると近未来に大化けするカモ(鴨)。先行投資にも最適でご猿。
 (この様な七行の文字の内、薄字で示した如く四ヶ所も訂正個所が生じガックリでご猿)。

 お陰様で最終号が何とか纏まりました。長い間のお付き合い衷心より感謝申し上げます。〜でこの時点で御礼を述べてENDの予定でしたが、本文の印刷がこんなにも乱れているとは気が付かず後の祭りでした事、心よりお詫び申し上げます。
 八年余の間に心掛けた事の、Aは組合月報は公報ですので「我田引水」と「自分史」の
掲載はペケであり、逆にこれを載せると誰も興味を示さないと云う事でござんす。
 これが長年に亘り駄文を書き連ねました感想であります。ではご免候。

 これにて永久(とわ)の別れとなりぬねの左様奈良。

     賞味期限 年齢(とし)には無いが 我れに多(おお)有り

平成二十四年五月〆日
奈久良景星

 
地鉄獅噛(じがねしがみ)像

※ 獅噛(しがみ)図 獅子が物に噛みつき、また噛みつこうとする状態を図案化したもの、
鬼面(きめん)と書いて、シガミとも読む。正倉院御物の金銀作懸佩刀に「獣頭鼻」とあるが、この鼻は剣鼻、つまり鍔の事である。獅子の恐ろしい顔付きから魔除けの効(ききめ)を期待したものでご猿。
 鎌倉幕府の執権・北条時頼がノイローゼになった時、抜き身のまま立て掛けてあった、
太刀が倒れ、火鉢の台に付いていた小鬼の頭を切り落としたところノイローゼがたちまち全快したと云う。その火鉢が「獅噛火鉢」で、その太刀が源氏重代の「鬼丸国綱」でご猿。


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