東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第24回)

日本の天然杉(新潟県佐渡の自然)

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


【BSN放送60周年記念番組】  1月19日(土)TBSテレビ(午後2〜3時)を見た。普段から自然や林業関係の番組は好きで見ることが多い。佐渡では主に、新潟大学農学部佐渡演習林内に原生する、珍しい杉の天然林の四季が存分に堪能できた。若い頃は曲がった杉の枝や瘤(コブ)等を見ても何の意識も抱いたことはなかったが、今こうして眺めると自分の人生を重ね合わせるようで感慨深い。1年半をかけて撮影・編集され、画像も美しく感動的な番組だった。

日本海に浮かぶ佐渡島の美しい四季も堪能でき、落ち着いたいい番組で、色々と勉強になった。

杉は日本の固有種。学名でクリプトメリア・ヤポニカ(ラテン語)。夢のあるきれいな名前だ。

笑顔の素敵なレポーターの川島海荷さん。若い人にも森林や林業に関心を持ってもらいたい。

佐渡へ、佐渡へと草木もなびく…。(佐渡おけさ)有名な、「たらい舟」。材質は杉だという。

著名な写真家、天野 尚氏。画像視力6.0で鮮明。満足な写真が撮れた時は厳しい寒さも忘れる。

洞爺湖サミット時、佐渡天然杉「金剛杉」の写真が各国首脳から絶賛を浴びた。スゴイ!!

天然杉の種が切り株の上に落ち芽が出た。芽は希望だから、明るさを感じる。

紙谷智彦教授(新潟大学)から分り易い説明を受ける。季節は初夏頃か?

見事な天然杉だ。何やら幻想的な世界に見える。
木の生命の躍動感が伝わってくる。

初秋の佐渡。農学部の紙谷教授が当番組を監修。最近ではバイオで農学部人気という。

江戸時代、越後の城普請の為伐採された「太郎杉」。その圧倒的な迫力で往時が偲ばれる。

「太郎杉」の歴史を伝える、語り部の大岩ミドリさん。深い味わいのある語りに感動。

写真家の天野尚氏により、「金剛杉」と名付けられた。暗闇で遭遇したらビックリするだろう。

同じ天然杉でも佐渡産は葉が柔らかいが、屋久杉は葉が鋭利で硬い。天敵からの護身?

天然杉の神秘に魅せられた写真家の天野氏。多くの専門家が協力した壮大なドラマだ。

人工林と天然杉との年輪の違いが歴然。天然杉は、成長が遅く1cmで約20年。

「伏条更新」は全国的には例が少ないが、佐渡では狭い範囲に多く存在する稀な場所だ。

最新バイオ技術で、同一木である事が証明された。(津村義彦博士:森林総合研究所)

厳冬には、5〜6mの降雪で枝が折れたりするが、逞しく成長を続ける。今年もガンバレ!!

凍結した杉の枝。目の覚める程に荘厳で美しい。自然の中に躍動する生命を感じる。

多年の風雪で傷だらけ。見ていると、誰しも自分の人生を思い浮かべてしまうのでは…。

雪の重みに折れた枝。それでも、不屈の精神は未来を忘れずに春を待つ。

左端は「森の番人」(田中さん)。佐渡で生まれ育ち、天然杉や自然を熟知し保全に貢献。

漁師が一般杉材で作った漁船型の家。民家の壁も杉材が多く、素朴な観光名所だ。

初夏の海辺近くの岩場に咲く「イワユリ」。佐渡には、約1700種の植物があるという。

アジサイに休む「アサギマダラ」。葉の緑と蝶の優雅な模様のコントラストが印象的。

佐渡島の棚田がきれいだ。日本の原風景が残っている数少ない場所でもある。

遠藤憲一の語りも良かった。鮮烈な四季、沈む夕陽に深い郷愁を覚えた。是非行ってみたい。

【地方の名物和菓子】 1月20日(日)好天に誘われ、久し振りに栃木県南部へ出かけた。

ほんのりとした甘味。「しん古まんじゅう」。1〜3月の季節限定商品。実は私は和菓子党です。

栃木県佐野市栃本(旧田沼町)東武葛生線の田沼駅そば。伝統の店、「石川や」さん。

【中国からの大気汚染 PM2.5】 中国の北京では以前から指摘されていたが、年初から深刻な健康被害が出ている事が連日報道された。微小粒子状物質 PM2.5は、世界中の自動車等からも発生しているが、中国の急激な経済発展に伴い大幅に増加した。当然、風下の日本はたまらない。スギ花粉に加えてPM2.5では辛く耐え難い。

 

【アベノミクスと3本の矢】 年末の政権交代から1ヶ月半が経過、株価の上昇や為替が90円台前半で推移している。勿論、マイナスな面もあるが世間では概ね歓迎されている。最近、頻繁に見聞する“3本の矢”とは、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」だと言う。いい方向に進んで欲しい。

 

2013年2月9日(土) 記

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