東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第29回)

災害支援に挑む建築家『坂 茂』氏

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


■テレビ東京:カンブリア宮殿■ 6月13日(木)午後10〜11時。紙の建築・災害住宅、役立つ建築に挑み続ける男、坂茂(ばん しげる)として紹介された。1957年(昭和32年)東京都生まれ。NY(米国)の建築の名門である、クーパー・ユニオン建築学部卒。1985年、坂茂建築設計を設立。1994年、ルワンダ大虐殺から逃れた難民へのシェルター設計をきっかけに、世界の災害支援に建築家として携わり、それらの活動が高く評価され、2011年、国際建築家連合から避難所の創造的探究で、「オーギュスト・ペレ賞」(建築界のノーベル賞と称される)を受賞した。
 有名な建築家である坂氏は、紙の紙管を使って様々なシェルター(仮設の避難所)を作っている。かつて、製紙会社にいた私は、段ボール古紙を主原料とした紙管原紙を大量に生産し、それを外注先で切断加工後、製品の紙管として工場内で使用していた事を思い出した。従って、薄い紙も接着剤を塗布し、100枚、200枚と巻くと、非常に強い強度が生まれる。当時の私も紙管の意外な強度に驚いたものだが、この様な利用ができるとは思いもよらなかった。彼の非凡な創造力と行動力に感動した。将来への可能性を考えれば、広がりと深みのある良い番組だった。

東日本大震災(H23.3.11)直後の避難所となった体育館。当時、連日報道されたので見覚えがある。特に、女性はプライベート面で非常に困っていた。

そこで、段ボールの紙管を利用した間仕切りが登場した。この場面も何度も見た記憶がある。多くの人から感謝された場面が印象的だった。

 下記の写真左は、建築家の「坂 茂」氏。低コストで設置や取り外しが簡単なのは画期的だ。

使用後も、簡単に解体できリサイクルできる。阪神・淡路大震災時、同様な避難所を作ったが、1999年、台湾大地震用に解体し、現地で復元活用された。

大人3人が乗っても曲がらず、折れなかった。乗用車1.6トンが乗っても殆ど影響がなかった。想像以上の物理強度があり驚いた。

大震災なんて、起きて欲しくはないが、30年以内の発生確率は高いという。この画像を見ると、丁度2年前、東日本大震災の恐怖の記憶が蘇る。

大手のプレハブメーカーでも供給量の限界がある。 又、プレハブに比較して短工期で半値程度のコストは魅力的だ。「備えあれば、憂いなし」だ。

■新潟旅行■ 6月8日(土)〜9日(日)久々に新潟旅行をした。

9日早朝、「水の都」新潟市。国内では最長の信濃川が日本海へ注ぐ港町。中央は萬代橋。(ばんだいばし)川岸に柳の大樹が佇む、「新潟ホテルオークラ」から新潟駅方面。梅雨の合間の曇天。風もなく信濃川の水面が穏やかに流れていた。思い思いに散歩やジョギングする人たちが見受けられた。

悠然と流れる信濃川の水面をぼんやりと眺めていると、色々な思い出が蘇ってくる。萬代橋をわざわざ、徒歩で渡り終え情緒ある街並みに感動した。

■群馬県3高校東京同窓会交流会■
 6月21日(金)晩。時事通信ビル13階 ラウンジ日比谷
 桐生高校、太田高校、館林高校。今回で2度目。30代から80代までの約50名が参加。体は老いても気持ちは青年のまま。豊富な人生経験や人脈を生かした、今後の活動や展開が期待される。

鈴木敏男氏(館林高校同窓会名誉会長)の乾杯の音頭でスタート。同郷の縁で楽しく歓談。手ごろな値段で、眺めも良く料理も美味しい。

各同窓会の重鎮。今年の幹事は館林高校、来年は太田高校。不思議なもので、人脈は思わぬ所でつながっている事を実感する。


2013年7月7日(日) 記

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