東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第35回)

映画『永遠の0』と 俳優 岡田 准一

(株)コバリン 奥澤 康文
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 正月休みに、『永遠の0』(東宝:2時間24分)を鑑賞した。原作は人気作家の百田尚樹氏のデビュー作。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの山崎貴監督が映画化した。又、東宝の製作に参画した布施哲郎氏より、長期の工程を支えた熱き想いを聞き大いに感じ入り原作も熟読、感銘を受ける。

 主演は俳優の岡田准一。宮部久蔵なる一人の男の生き方を巡って生まれる疑問を解明しつつ、戦争の愚かさを見つめる映画だ。最先端のVFX(視覚効果)技術を駆使して迫力ある映像に仕上げた大作である。今や岡田准一(33才)も超売れっ子で、マスコミでは引っ張り凧だ。彼は、人気アイドルグループV6で活躍してきた程度の認識しかなかったが、正月のテレビインタビュー番組を見て一変。単に、甘く精悍な風貌だけでなく、多彩な才能・教養・人柄に敬服した。

 終戦後既に70年近く経過し実体験した世代が減少して殆ど風化寸前の中、当然、重く難しいテーマでもある。余談だが昨年末の新聞紙上で、作家の堂門冬二氏(S2年生)が予科練の甲種であった事を知り身近に感じた。(私の父(T15年生)も同様)「0」とは、所謂、零式艦上戦闘機のことで、皇紀2600年(昭和15年=西暦1945年)の末尾の0(ゼロ)に由来する。

 又、1月5日(日)スタートのNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』(黒田如水)の主人公としても実に適役だ。「あぁ、俺もあのくらい顔がよかったら人生が変わったかも・・?」なんて、独り言を呟きながら、ドラマにハマるお父さん達が増えそうな予感がする。黒田如水は名を官兵衛といい、如水は号である。当時、日本で一番頭のいい男と呼ばれ、3人の天下人、即ち、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康に仕えた。現在の企業経営にも相通じるものがあり楽しみだ。

 ところで、最近、海外からの執拗な日本叩きの中、日本の全てを否定するような言動が目立つ。又、過度の自虐史観には疑問を感じる。日本経済の長期停滞と米国の国力が相対的に低下した結果、世界のパワーバランスの変容が主因だろう。現在を知るには100〜200年を遡り、文化や政治・経済等の原因や関連性・影響等を知る必要があると思う。還暦過ぎのライフワーク『エコ・環境・省エネ』に、『歴史』を加えた。学校時代、近代史は資料が多い反面、教え方が難しく中途半端な状態になっており、この点が盲点と思う。実際に公平な立場で詳しく教わった記憶がない為、様々な角度からじっくりと勉強すると改めて日本の良さが見えてくる。

 さて、『アベノミクス』にも賛否両論ある。H26年3月末決算予測で、上場企業の6割が増収増益と言われているが、まだ中小企業側の経営実感では判然としない。しかし、統計上では、1年前と比べ景気が少し浮上してきたとの事で大変良かったと思う。3本目の矢に期待が集まっている。一方、国の借金1,000兆円、医療、年金、エネルギー、大地震等、将来への課題や不安が山積だが、日本人のネバリ強い勤勉さで克服できるだろうし、又、是非そうなって欲しい。

 最後に、『2020年東京オリンピック』 という国家的目標と課題が出現し、開催迄あと6年のカウントダウンが開始された。「日刊木材新聞」等を読んでいると、業界でもこれを稀有な好機と捉え、行政への具体的な提案と働きかけが出始めているので素晴らしいことだと思う。更に、様々な業種や地域を超えた連携と活力の誕生が予想され、黄金(?)の6年の足音を予感・期待する。今年も平和と躍進の年である事を冀う。


2014年1月12日(日) 記

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