東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第45回)

山形紀行 自然と食の旅(後編)

(株)コバリン 奥澤 康文
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【一人当たりラーメン消費量日本一の山形県】 知りませんでした、行くまでは…。蕎麦では、「庄司屋」(山形市)は、伝統的なこだわりがあり横綱の風格漂う。


9月14日(日)午後1時。幻想の森の直後、最上川沿いのドライブインで昼食。山形はラーメンが有名で、お客全員がラーメンを注文。私はワカメラーメン。
並盛りで、東京の大盛り以上でビックリ。大盛りにせずよかったと安堵。昔風の素朴な中華そばに、腹一杯になり急に眠くなった。
穏やかな最上川。時折、川下りの船が行き交う静かな昼下がり。右は、景色に魅せられ写真を撮る青年。
行き付けの人気床屋のオーナー、鈴木さんが寒河江市付近の山村出身で、共通の話題が増え嬉しい。

 

 9月14日(日)午後2時。出羽三山の一つ羽黒山に向う。天候も穏やかで最高の日和。尚、出羽三山とは、羽黒山、月山、湯殿山で、いずれも鶴岡市にあり日本の秘境100選だ。
羽黒山入り口。ここまでバス。これが噂の羽黒山?有名な神社に初参観でき正に興味津々。   本殿左の建物。穏やかな日和の中、心地よい散歩を満喫。冬は豪雪だが、それ以外は最高!
三神合祭殿正面。現在の建物は、1818年に再建、S45〜47年に修復。茅葺屋根で高さは28m。 本殿脇の御札売場。参拝の記念に買いますよね!素朴で、静かな雰囲気がいいね。
帰りは階段(2445段)に挑戦。気持ちは20代、でも体は正直な60代、相当きつかった。 途中の休憩所で休んだ。ここで中間点、両膝はもうバクバクで、優美な景色もかすみ、残念。
登山道の中間に五重塔。千年前に最初に建立。現存は3度目、約600年前に建立。室町時代の頃か? 少し下ると、樹齢千年以上の巨大な「爺杉」が聳えている。奥の杉木立の間に、五重塔が見える。

 

 9月14日(日)午後6時。羽黒山を後に六十里越の急カーブ山越えを体験。湯殿山の脇を通り、月山湖の噴水を見学後、寒河江川の清流そばの料亭「玉置」(西川町)で夕食。

 
周囲が広い庭園風で清掃が行き届ききれい。玉置は山菜・懐石料理の名店で、有名人も利用する。
 

風光明媚な環境の中、気分も料理も最高!眼下の寒河江川の清流の音に酔いしれた。


 

 9月15日(月)午前6時。宿泊した「チェリーパークホテル」(寒河江市)周辺を散策。源泉かけ流しの大浴場付。朝食バイキングで珍しい郷土料理にも大満足。楽しい旅行ももうすぐ終了。

 
早朝、最上川よりホテルを望む。かけ流しの温泉がある。久し振りの朝風呂、あぁ、いい気分!
  最上川の悠久な流れ。ぼんやり眺めていても、落ち着き飽きない。古の鴨長明の心境に…?
 
河川敷の風に揺れるススキ。若い頃は雑草としか思わなかったが、しんみり秋の風情を感じる。
 

ここは流れがゆったり、川面がまるで湖か鏡の世界。風が止んだ感動の瞬間だった!

 

 9月15日(月)午前11時。又、寒河江市内にある「慈恩寺本堂」(弥勒堂)や三重塔、薬師堂、山門等歴史的な建造物もある。寒河江の歴史を体験できてよかった。

 
山上の寺院。勿論、出羽三山程有名でなく観光客は少ない。野鳥の戯れる静かな境内にほっとした。
  映画の撮影に使えそうな光景だね。うさぎ跳びで往復できたらスゴイ…。「柔道一直線」みたい?

 

 9月15日(月)昼食。久し振りの山形名物の「芋煮」は格別で、感謝は尽きない。

 
梅干しも小さい丸ナスも私の好物。最近の若い人は梅干し嫌いが多いらしいので残念ですね。
  芋煮(いもに)。野菜、山菜、月山の筍等豊富な食材で美味しい。自然な健康食品だ。

 

◆普段は遠出も旅行もしないので、2年振りの山形旅行は大いに気分転換となった。◆


【日本の和紙がユネスコ世界文化遺産に登録へ】 10月28日(火)、日本の手すき和紙技術が、11月末にユネスコの無形文化遺産に登録される見込み(*)で、大変に嬉しい。宮城県産和紙展(深川東京モダン館)の時に私は和紙の名刺入れを買い、今でも使う度に伝統技術に感心する。
*:候補は
1)石州半紙(せきしゅうはんし):島根県浜田市。
2)本美濃紙(ほんみのし):岐阜県美濃市。
3)細川紙(ほそかわし):埼玉県小川町、東秩父市。

 

【日本の木材が人気上昇中・テレビ東京】 11月4日(火)午後10〜11時。『ガイアの夜明け』。戦後人工造林した森林が過熟期を迎え、「日本の宝の山」を今後どう活かすかが急浮上中。価格的には国際競争力がないが、ヒノキ等の上級品、杉間伐材の付加価値を高めた活用法で中国、韓国からの引き合いが増加中との事。「沖倉製作所」(あきるの市)、「小嶋工務店」(小金井市)等の斬新な事例を紹介。国内林業は崩壊寸前の危機だが、工夫を凝らす事で活路を見出した元気な会社や組織も増加中で、「Tokyo Wood」等の動きは大いに歓迎できる。この種の建設的な番組はドンドンやって欲しい。

 

【世界自然遺産の小笠原のサンゴ密漁・破壊】 連日ニュース報道されているが、中国漁船が200隻以上も大挙し、日本の排他的経済水域内の伊豆諸島や小笠原近海の貴重な赤サンゴが根こそぎ乱獲されている。中国で売却すれば、船1隻で約20億円もの荒稼ぎできる有様で日本の少ない罰金・罰則では全く歯止めが効かない。もはや傍若無人の無法状態だ。単に、赤サンゴの破壊・略奪だけではなく、真の意図は別な遠謀にあると言われ、俄かに防衛態勢が試されている。小笠原の浅瀬と国土は繋がっている。適宜、毅然として反論し、蹂躙された自然遺産の画像を世界に積極発信して行く事が大切だと思う。

2014年11月9日(日) 記

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