東京木材問屋協同組合


文苑 随想


『歴史探訪』(96)

江戸川木材工業株式会社
常務取締役 清水 太郎

 今年のお正月は、元旦に近くの神社にお参りし、お屠蘇、お雑煮を頂いた後、一路東名高速を西に向い、勤務地長野から戻った長男と三人で、小田原厚木道経由で、暮れ泥む芦ノ湖畔を通って定宿のダイヤモンドソサエティに投宿しました。温泉に漬かって夕食後、大勢の仲間とビンゴゲームに興じて憩みました。
 翌朝は、霊峰富士を真近に仰ぎ、芦ノ湖を望むダイニングルームは家族連れで賑わっておりました。チェックアウト後、箱根駅伝の放送を聞きながら出掛け、渋滞を避けて御殿場へ迂回し、東名高速を横浜町田ICから横横道路で朝比奈ICで下り、父母が眠っている鎌倉霊園で墓参りした後、市街地は通行制限の為、霊園に車を預け、バスで駅まで出て、歩いて由比ケ浜にある宿にチェックインしました。夕食後は、江ノ電で鎌倉に出て、人通りの少なくなった小町通りを行き、鶴岡八幡宮に詣でました。元旦は200万人の参拝客で賑わっていたようですが、三の鳥居から本殿まで60分を要した境内も人は疎らで、宿から1時間半で往復することが出来ました。
 翌日帰宅した時は、丁度駅伝の先頭ランナーが9区から最終区へ襷リレーされるところでした。今年は東洋大が2年振りに優勝し、歴代2番目の11時間を切る好タイムでありました。一昨年までは山登りの名人柏原君の活躍で3連覇しましたが、名人が卒業して昨年は20秒差で日体大に敗れました。翌4日から猛特訓を開始、1人2秒を縮めよ、「その1秒を削り出せ」を合い言葉に捲土重来を誓った結果が今回の完全優勝となりました。
 大学ラグビー選手権準決勝は、移動中で見ることが出来ず、ビデオに録って帰宅後観戦しました。1月12日の決勝が楽しみです。
 大相撲初場所も12日が初日です。2013貴乃花引退後、10年振りに日本人横綱が誕生するのでしょうか。間もなくロシアのソチで冬期オリンピックが開催されますが、日本の選手の活躍が楽しみであります。
 昨年9月には2020オリンピック、パラリンピックの招致が決まり、選手村や競技施設が建設される湾岸地区は、インフラの整備、ホテルの建設、海外から渡航客のおもてなし等で、経済効果9兆円と云われております。
 今年の「日経新聞」の機関紙「日経不動産マーケット情報」2014年1月号には「五輪に向けて加速する大型投資、インフラ不足の解消が課題」というテーマで夢のような記事があります。海外から来航する豪華客船はレインボーブリッジを潜れず、従って中央区青梅の科学未来館脇に新埠頭が整備されます。今盛んにマンションが建設され、売れ行き好調ですが、2020年までに15,000戸が完成します。晴海の選手村は五輪後住宅として販売されます。「日経新聞」平成26年1月3日付「街の未来B」には「環状2号線が14年3月開通」高さ250mの超高層虎ノ門ヒルズオープン、新橋−汐留間は地下道路、地上はパリのシャンゼリゼ通りのような遊歩道となる。汐留−晴海−豊洲は2016年開通予定の新交通システムが整備される。五輪選手村から競技場まで専用レーンで連結型のバス(BRT)が走る。1月3日付、日経年頭仮想STORYとして「東京お台場にカジノ誕生」と題して、東京ドーム10個分以上の広大な敷地にカジノ施設、商業施設、レストラン、ホテル建設、経済波及効果4兆円。
 他に「江戸城天守閣の再建には350億円」と題して「江戸城を再建する会」の構想、経済波及効果1,000億円、初年度来場500万人。但し敷地は宮内庁が管理、これは是非実現を!

(出所:江戸城天守を再建する会、三浦正幸、エス)

 3日帰宅しますと、お世話になっている天川淳氏から年賀状が届いておりました。『方丈記』の冒頭は「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて久しくとゞまりたるためしなし。…」で始まる鴨長明の随筆ですが、私はこの世の無常を語った作品と理解しておりました。ところが、「平安時代に起こった天変地異による被災体験から学び取ろうとしない人々を問題視している」という天川様の鋭い指摘に一瞬愕然としました。念の為、インターネットで方丈記の全文をアウトプットして読み始めました。悲惨な被災の状況が語られていることは理解できたものの、途中でギブアップしてしまいました。後日ゆっくり検証しょうと思います。
 当社は阪神淡路大震災以来、地震に強い家を作る方法はないものかと研究開発を重ね、2000年頃某大企業と共同で特許を取得し、今では木造住宅の新築とリフォーム対応の工法を開発し、営業部門の柱の一つになっております。天川様の賀状にもあるように、今後、首都圏で30年以内に大震災がかなり高い確率で起ると予測されております。後の世の人に「懲りない人類」などと随筆に書かれないよう、官民をあげて防災に努めることが使命であり、社会貢献であると信じて事業を推進しております。
 今年の年賀状には、「東日本大震災の復興と2020オリンピックの成功を合い言葉に」と添えて出しました。





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