東京木材問屋協同組合


文苑 随想

見たり,聞いたり,探ったり No.184

〜歴史探訪 一人旅〜
「アフリカ・デー(Africa Day)『アンゴラ大使館』からの招待状」

青木行雄

 5月25日の夕方、新木場より有楽町線に乗り、永田町で半蔵門線に乗り換え、表参道より銀座線にて渋谷に着いた。渋谷の京王井の頭線に乗るために2階の通りへ行くと壁面に大きな「岡本太郎」の思い出の絵画がある。何年か前に新橋の展示会場で見た大作である。懐かしい。
 渋谷より京王井の頭線に乗り、池ノ上駅で下車。駅員に聞くと7〜8分の所に大使館はあると言う。
 目的地は、「アンゴラ共和国大使館」である。
 今夜は、「ブルキナファソ共和国」フランソワ・ウビダ大使のご紹介により、アフリカ連合(AU)の前身であるアフリカ統一機構(OAU)が誕生したことにちなんで、この日(5月25日)をアフリカ・デー(Africa Day)として祝賀会があると言う。この記念日のレセプションに招待を受けての参加である。

※渋谷の井の頭線前の広場の壁面にかかる「岡本太郎」の絵画。大きく見事な絵である。

※井の頭線の池ノ上駅の出た所。ホームは2階で、降りた所は道路だった。

 

 池ノ上駅を出て南へ少々歩くと下り坂になり、更に7〜8分行くと大使館に辿り着いた。
 玄関受付で「招待状」を出すとすぐに中へ通され、赤絨毯の上を案内された。入口ではおなじみのアフリカのパフォーマンスで出迎えされる。

※アンゴラ大使館の表玄関。早かったのでまだ、人は少なかった。入口から奥まで赤絨毯が敷かれていた。

※アンゴラ大使館より受けた「招待状」受付へ提出。

※入口では、アフリカのパフォーマンスによるお出迎え。

※主要大使館の人達がお出迎えする。

 

 アフリカ連合(AU)とは

 アフリカ連合(AU)はアフリカ54ヶ国・地域が加盟する世界最大の地域機関であると言う。(注:我が国未承認の「サハラ・アラブ民主共和国」を含む。モロッコは非加盟)。アフリカの一層高度な政治的・経済的統合の実現と紛争の予防・解決に向けた取組強化のために、2002年(平成14年)7月、アフリカ統一機構(OAU)(1963年(昭和38年)5月設立)から発展改組されて発足したと言うのがAUである。

 アフリカ連合(AU:African Union(平成24年8月現在))
 アフリカ連合(AU)組織図、以下の国


加盟国
 アルジェリア、アンゴラ、ウガンダ、エジプト、エチオピア、エリトリア、ガーナ、カーボヴェルデ、ガボン、カメルーン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、ケニア、コートジボワール、コモロ、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、サントメ・プリンシぺ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、ジンバブエ、スーダン、スワジランド、セーシェル、赤道ギニア、セネガル、ソマリア、タンザニア、チャド、中央アフリカ、チュニジア、トーゴ、ナイジェリア、ナミビア、ニジェール、ブルキナファソ、ブルンジ、ベナン、ボツワナ、マダガスカル、マラウイ、マリ、南アフリカ、南スーダン、モザンビーク、モーリシャス、モーリタニア、リビア、リベリア、ルワンダ、レソト、サハラ・アラブ民主共和国

 午後6時から式典は始まった。会場には徐々に人が大勢になったが、在京外交団、政界財界、官界、芸能界、メディア、その他たくさんの賓客で会場はいっぱいになった。テレビ等でよく拝見する顔も多く見られた。

 式典冒頭、ホスト役となったアンゴラ、ジョアン・ミゲル・ヴァヘケニ大使が次のように述べられました。「独立を果たしたアフリカ。アフリカの将来を自ら切り開く、OAUにはそんな使命が託されている」。

※建物の入口には加盟国の国旗がずらーり。見事であった。

※式典が始まり、挨拶する主要国代表。

※政界、財界の要人も次々と会場入りした。

※大使等に迎えられた政界人の方々。

 

 そして在京アフリカ外交団座長、エリトリアのエスティフアノス・アフオワキ大使からはこんなメッセージがあった。
 「アフリカの連帯と平和・安定のために踏み出したアフリカ統一機構設立(OAU)から52年。先人の犠牲の上に勝ち取った独立。アフリカ連帯の名の下に違いを乗り越え、パンアフリカニズムを追及してきた。そして今、アフリカは未来に向けて進んでいる。ジェンダー、女性の社会進出も進んでいる。リベリアのサーリフ大統領、AUのドラミニ・ズマ事務長はその証である。
 貧困、気候変動、テロ、違法取引……課題も絶えないが、いま、アフリカは開発と成長に向けて歩んでいる。成長、産業の発展が、雇用や所得を生み出し、貧困や欠乏の根絶に繋がるものと信じている。
 アフリカの成長と開発への日本の支持と支援が極めて重要である」。と締め括った。
 すばらしい挨拶は大拍手で盛り上がった。
 この大使館付近はやっぱり、特殊な場所であり、厳重な警備を敷く北沢警察署へ感謝の意も述べられたのである。

※式典が終って記念撮影。日本の政界、財界の要人も中に入っているようだ。

※各国の料理がずらーりと並び、それぞれの国の味自慢をご披露している。

※アフリカの方々は英語やフランス語が多いようだ。各国の要人が自国をPRしている。

※サンコン氏とツーショット。ギニアの出身だが、日本には長いと言う。

 

 そして盛大に「乾杯」の杯が上げられた。乾杯が終わると全国の大使の記念撮影。式典が終わると、社交の場は一気に盛り上がりを見せて、場内は歓迎ムードに一変した。
 
 各大使館が腕をふるって用意した自慢の料理がズラーリと並ぶ。どれから食べれば良いか迷う。あまり見なれない料理ばかりであったが、大変美味しく満足であった。

 程良い時間が過ぎて、ショーが始まった。アフリカの楽器に演舞。照明も暗くなり、ベリーダンスに高音の楽器。陽気なアフリカ人によるショーが終わると、広場では大使や婦人等みんな踊りだした。なんと賑やかな。日本人には持ち合わせのない、陽気で自然に雰囲気に溶け込んで行く様子はすばらしいと思うが、ちょっと異様な魅力を感じるムードでもあった。

※どこの国の料理かわからないが、大変美味しかった。

※鳥肉が多かったように思う。暑い国の料理なので、煮付けが多いようだ。

※アフリカの踊りは、セクシーで動きが早い。

※式典が終わり、メインフロアーにてショーが始まった。魅力的で、めまぐるしい。

アフリカ54ヶ国の地図と名前

 このアフリカ連合(AU)は、アフリカの政治的、経済的統合や紛争の予防・解決への取り組みを強化するために発足した世界最大の地域統合体であると記したが、本部を、エチオピアの首都アディスアベバにおき、モロッコを除くアフリカ53ヶ国が加盟していると言う。
 現在はアフリカ共通貨の制定やアフリカ各地の紛争解決が課題と言われる。
 アフリカの幾つかの国ではこの5月25日を祝日として、様々なお祭りが行こなわれているらしい。日本では近年「アンゴラ大使館」が会場のようである。
 こんなわけで、アフリカ・デーのレセプションに参加することになった。
 多くの外務省の要人、事務官、議員、各国の大使、大使秘書、商社の方などお会いすることが出来た。
 帰りにフランソワ・ウビダ大使に玄関までお送りいただき大変恐縮したが、アフリカの各国の料理と雰囲気に大変な体験と勉強をした一日だった。

資料
 外務省資料
 『日本史年表』岩波書店

平成27年5月30日 記


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