東京木材問屋協同組合


文苑 随想

材木屋とエコ 環境 省エネ(第48回)

『健康寿命』、『相続税改正』、『ふるさと納税』

(株)コバリン 奥澤 康文
http://www.kobarin.co.jp


 偶然、2月8日(日)朝、NHK総合テレビで、「サキどり 備えよう! 老後マネー対策編」を見た。前向きな表現では、「未来家計簿」と呼ぶ。又、同日の『産経新聞』(埼玉版)の朝刊で、「公園型墓地 県南で整備」の記事。即ち、「埼玉県では、超高齢化社会の到来を受け、県が県南地域に近隣環境に配慮した、公園型墓地を整備する方針を固めた。今後、30年間の県民死者数は、約260万人と過去の約2倍になる見通しで、想定される墓地需要の増加に対応すると言う。樹木を墓標にする等の自然回帰志向を受けて、多様な墓地形態で構成する。H27年度に基本方針を策定して事業地区を選定、完成はH30年度頃になる見通し」だと言う。ちょっと寂しい気もするが避けて通れない重要な問題でもある。

 【健康寿命】同窓会等の会合でも、健康、病気、年金、旅行の事が良く話題になる。還暦を過ぎると体のどこかに不調がでてくる。この半年、改めて実感した。『健康寿命』とは、これは自分の健康に問題がなく日常生活を普通に送れる状態だと言う。しかし、よく考えてみれば、普通に規則正しく働いていれば、これらの要件は、ほぼ満たされるが、仕事をやめて家にいるとこれらの要件を毎日充足することが難しくなることに気付く。

 日本人の健康寿命は、男:71.19歳(2010年に比較、+0.78歳)、女:74.21歳(同様に、+0.59歳)。平均寿命との差が男:9.02歳、女:12.40歳。健康寿命を延ばすには、俗に、「テクテク、カミカミ、ニコニコ、ドキドキ」等と言われているが、これは、適度な運動(テクテク)、3度の規則正しい食事(カミカミ)、心の健康(ニコニコ)、そして、五感を使った感動(ドキドキ・ワクワク)を指すという。つまり、健康寿命を延ばそうとする程、少なくとも70歳位までは、働きたい人が働けるような社会環境を整備することが必要だと言う。(2013年厚生労働省)

【相続税改正】会社近くの食堂で、昼食を食べながら大見出しの雑誌記事をじっくり読んだ。皆さんもよくご存じの事と思います。2015年1月は、税制が大きく変わり、特に影響が大きいのが相続税の改正だ。控除額が大幅に縮小され、都市部に住む多くの人が課税対象になる。一方、ふるさと納税の様に減税額が増えるものもある。大手の生命保険会社の試算では、今後2030年までに、相続関係で、約1,000兆円のマネーが動くと言う。そんな巨額の金融資産が一体どこにあるのかと俄かに信じがたいが、やはり、有る所にはあるのだろう。

 昨年5月頃、テレビ東京の「ガイアの夜明け」でも見たことがある。巨大市場を巡り、銀行、証券、専門会社等が入り乱れて競う。金融資産に、不動産等の固定資産を加えた、日本人の個人資産合計は、2,600兆円。この内、約半分を65歳以上の高齢者が保有する。その内、約1,000兆円がこの先15年で、次世代に継承されてゆく。所謂、「大相続時代」の到来だと言う。

 昨年迄の基礎控除額は、「5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)」で算出したが、今年1月からは、「3,000万円+(600万円×法定相続人数)」に縮小された。2人の子供が相続する場合、昨年迄は、7,000万円だった非課税枠が、4,200万円に激減。これ迄、一般的な会社員であれば、課税されることが少なかったが、今後は課税対象が激増すると言う。
 例えば、評価額が4,000万円の不動産と現預金2,000万円を2人の子供が相続すれば、昨年までは非課税だったが、今年からは、計180万円の相続税が課せられる計算になる。贈与等を使った節税が必須になる。個々の条件が異なり専門家と相談することが賢明だろうとの事。(FEB, 2015 「日経TRENDY」

 【ふるさと納税】2015年4月1日から、税控除の限度額が2倍に拡大になり、「実質2,000円でカニをもらう等」お徳なチャンス到来となった。出身地や居住地にかかわらず、応援したい地方自治体に寄付をする。例えば、1万円を寄付すると、所得税や住民税が合計8,000円分軽減(確定申告)される。寄付の御礼を用意する自治体があり、特産品等が実質2,000円で手に入る。その代表は、果物、海産物で、なかでも狙い目はカニだと言う。日本各地へ思いを巡らせるのも楽しいものだ。

■2015年4月から寄付額の上限が2倍になる。
 夫婦又は共働きで子1人(高校生)の場合
給与収入 (2014) (2015)
300万円 12,000円 24,000円
400万円 20,000円 40,000円
500万円 30,000円 60,000円
700万円 55,000円 110,000円
1,000万円 90,000円 180,000円
1,500万円 190,000円 380,000円
  ■楽しい節税の検討も面白いね!
●岐阜県八百津町の町有林への入山権寄付50万円以上で、マツタケが取り放題のユニークなものもある。但し、昨年は先着1名限定だった。9月15日から11月10日までの間に、何度でも入山できるという。
●用意されるお礼は、物だけに限らず、「体験」を提供する自治体も増えている。京都等では、魅力的な「文化体験」を複数用意しているという。
 上記は、10年前の自分なら余り気に留めなかった話題だが、両親も相次ぎ他界し、次は自分だと思うと、やはり寂しさも感じるが現実に背を向ける訳にはいかない。昨日はきれいな冬晴れだったが、今日(2月8日)は、朝から冷たい小雨模様で午後からみぞれになった。厳冬の風雪も林業や全生物には必要だ。そんな訳で、寒い一日にテレビ、新聞で一日を過ごした。毎日、色々な出来事があるのが人生だが、病気と同居しながらもほぼ健康で楽しい日々を送りたいものだ。
2015年2月8日(日) 記

前のページに戻る

Copyright (C) Tokyo Mokuzai Tonya Kyoudou Kumiai 2015