2019.04.23
木材うんちく木のよもやま話
私がこの木材業界で働くこと25年、やっていることは今も昔も変わらず家を建てるお手伝い、
日々材木を売るわけです。
周りを見れば諸先輩方が大勢おりいつまで経っても修行僧、そんな若輩者が
「木のよもやま(四方山)」を書こうにも書けず、難しいこと事は諸先輩方にお任せするとして
私が面白いと思ったお客様のお話を。
ある日の電話。
「あのーまな板を探していまして…」
まな板は身近な木製品の為、よく問い合わせを頂きます。連絡先を聞き、お見積もりをすることに。
まな板だと一般的には「ヒノキ」がよく使われます。
ただ詳しく話を聞くと少し内容が変わっていました。
「皮付きのイチョウが欲しいのですが…」
皮とは、ささくれだった木の皮のこと、木の耳とも言います。
時より木のテーブルなどで見かける木の輪郭、端が丸みをおびた状態ではなく「皮付き」が良いのだと。
「…皮ですか」と思わず漏れましたが手入れの面から察するに相当大変。
木は基本的にカビやすく、様々な方法でソレから守っております。
建築材などは薬剤を使うこともあります。
ただ今回は「まな板」、薬剤自体人体に影響は少ないにしても口に運ぶ為、使えません。
使用後、水気をよく切り風通しの良いところで乾燥させてください。それと。。。
その様な説明を淡々とさせていただきました。
そうしたら即答で「はい、すべてわかっております」と。
大丈夫かなと思いましたが発注をし数日後、木材が当社に届きました。
すぐにご連絡をすると実物を見たいと。
これからまな板にするため表面をカンナで削るのですが、この時点なら返品も受け付けられますからね。
ちなみに今回扱った「イチョウ」は少し変わった木、雌雄異株と言いましてオスとメスがあります。
メスは匂いがきつく食材にその匂いが付着してしまうため不向きとされています。
よってほとんどがオスです。おもしろいですよね。
来社され確認すると
「そう、コレが欲しかったんですよ!笑、もし無かったらアメリカまで探しに行く予定でした」
とすごく喜んでいただきました。
え?アメリカまで?木なら新木場で何でも揃いますよ。
ただ私も結構不安でしたので一安心しました。
お話を聞くとプロの料理人に料理を教えてる方とのこと。
色々な職業があるのですね。
それ以上、詳しくはお聞きしなかったのですが、もしかしたらインパクトが欲しかったのでしょうか。
結構なインパクトがありますね。
だってガッツリ皮がついていますからね、汗。
そんな材木ならではのこだわりが強いお客様のお話でした。
また機会があったら投稿したいと思います。
寄稿:しいば