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2019.07.16

加工・製材・流通

輸入材が何故森林の町へ?

 材木の配達から帰ると、近くに住む知り合いの人から声が掛かる。

「トラックでどちらまで行ってきたのですか?」「信州です。」「え!木が沢山採れる所にですか?」一般の方々は不思議に思うらしい。「ええ、輸入材で国産材とは用途が違うんですよ」一般の方々はそれでも納得しない。なぜなら第一に国土の8割弱が森林なのに、日本の建物には風土も合う国産材が良いんでしょ?第二に遠くから運賃掛けて輸入材を使うことないじゃない。聞けば日本の需要の3割弱しか国産材が使われてないと云うじゃない。たて続けに、家具であれ調度品であれ、国産材で良いんじゃないのと。

 私はさもあらんと、考える。日本国政府は需要の5割を国産材で賄う計画を目論んでいる。またもや一般の想いでいうなら国産材は高い。家を作るなら安い外材で我慢するか、などが世論である。日本産材木(丸太など)が安価に世界に輸出されていることなど、知る由もないであろう。もちろん国内で使われる国産材は高価な優れた材質を誇るものであることは言うまでもない。又、安価で品質の良いものもある。

 材木を扱う我々と一般ユーザーとのかけ離れた認識はやむを得ないとは思う次第である。出来上がった建築物の中に木の種を判別する趣は少ないと思う。

 一般的にコンクリートか木かの区別、いわゆる材質別の感覚で分けている。しかしながら「木の香り」「木の温もり」などのキャッチフレーズにあるように、心安らぐ生活を演出するものの一端を担うものは木材であることには、世論を待つことは無い。

 この世に人々の生活がある限り木の温もりは不可欠である。

 木材を扱う者の誇りであろう。

寄稿:ボロ

 

 

 

 

 

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