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2022.10.05

加工・製材・流通

吉野産 柱角 (役物・背割り) について

「WEB版 価格表の読み方」なる、ページに吉野材の項目がある
レイアウトの関係上記載しなかった、吉野材についてここに記載します。

「役物」は、ヤクモノと呼び、主に内装で見える部分に使える節の少ない部材 (造作用製材製品) をそう呼びます。もちろん「柱」だけでなく、他の寸面の造作用部材にも使われる用語です。

「背割り」は、乾燥収縮による材面割れを防止・軽減させる為、製材後、あらかじめわざと、溝を末口 (上) から元口 (下) まで通して入れる、手法の用語です。

以下、価格市況委員よりの投稿をご紹介します。

 吉野産の柱角は、山の手入れが良い(枝打ち等)ことから、節の無い役物が取れます。
山から出材された丸太は原木市場に運ばれ、競り市にかけられ、製材所が購入後製材します。

 柱角役物を取る適寸丸太は、105角用は 口径16cm位、120角用は 口径18cm~20cm位の丸太から製材されます。105角用は粗挽きにて120角に、120角用は粗挽きにて135角に製材いたします。

 その後 背割りを入れて桧は約1ゕ月、杉材は約2ゕ月間天然乾燥させてから人工乾燥機に投入。桧は約10日間、杉材は約20日間かけて乾燥いたします。(*1

吉野材 スギ・ヒノキ 背割り

 

 等級は、4面・3面・2面・1面無節、4面・3面・2面・1面上小節など、用途により等級分けされます。

日本農林規格 (JAS) 節 (*2

 

 その後各地の製品市場や問屋さんに送られます。 桧 無垢 化粧柱 3m105角は、最盛期昭和50年(1975年)頃は、天然乾燥材がほとんどでした、産地価格で㎥価格150万円位した頃があり、我々問屋も㎥価格180万円~200万円近くで商売しておりました。

スギ 4寸角 芯去り 役物

 

※写真の通り、背割りする材料は、目通りの良い芯持ち材で、芯去り材には背割り加工をしない。

白い部分を、白太(しらた)という

 

 

 

 

 

 

 法隆寺などの丸柱にも背割りが入っています、四方から見えるので埋木 (うめき) がしてあり、
 木材が落ち着くまで何十年かに一回取り替えます。

*1) 製材後背割りを入れてから、1~2か月乾燥させるのは、背割りが開き断面が歪んでしまう事を防ぐ為。

*2) 日本農林規格の表は、 [JAS 1083 2019 製材-第 2 部 (1083-2):造作用製材3.1 材面の品質・ 1-材面の品質の基準] より (PDF47page)

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