2023.04.05
加工・製材・流通人工乾燥材 (Seasoning Lumber)
人工乾燥材をKD材と日本では言うが、英語では、人工乾燥材のことを、シーズニングランバー (Seasoning Lumber) という
季節のシーズンと同じ綴り、調味料 (シーズニング これも同じ綴り) ではなく、熟したって意味合い、今風なら エージング (Aging) かもだが、年齢を樹齢に置き換えるとちと違うか
Aging は、木材業界では風合いの意味合いで使う
KD (Kiln Dry)
どんな乾燥工程も、桟 (Lath) 入れして、乾燥させる
KD もしかり
KD (Kiln Dried) は、色々な手法で、窯 (Kiln) で人工乾燥したもの (Vacuum, Steam, Microwave など)
木材の山 (桟積みした山) を、パイル (Pile) いう
などと指摘すると、ムっとされることが多い、言わない方が良いことが多い
AD (Air Dry)
AD (Air Dried) は、主に 室 (ムロ※) で、熱風・冷風を循環させ人工乾燥したもので、Kiln (窯) を使わずにMC をコントロール・検査した物、その辺の土場で桟干したもの (天乾) ではない
※室 (ムロ) は、日光・外気を防ぐように作られた、換気設備のある部屋のこと (Dry Room ?)
脱脂
Douglas Fir (ベイマツ)、アピトン など脂分の多い樹種は、脱脂乾燥することも
いわゆる ヤニ抜き
なぜか北米では樹脂(ヤニ) が噴き出ることが無いらしく
日本でしか行われていない
乾燥と同時に行われることが多い
HT (Heat Treat)
HT (Heat Treat) は、植物防疫の加熱処理
よもやま話 ナラ枯れ、樹木の世界三大病害,
よもやま話 ダンネジ
当然 他の乾燥材同様 プラスチックラップ (Plastic Wrap)
ラップに書かれている CMSA は、
認証機関 Canadian Mill Services Association (JAS の認定機関でもある)
枝番は、KD-HT 認証工場の固有番号
天然乾燥 (天干材) は、外部で桟干して乾かしたものの事、ADとは違うのだが、日本では区別しない事が多い
日本には、干物 (キングオブ 天干) や、一夜干しもあるし、おなじみですが・・・
そもそも、天干 (天日干しから) なのか、天乾 (まんま天然乾燥) なのかよく分かっていなくて、気分で使っている?
英語だと Natural Dried Lumber (ナチュラルドライ) になりそうだが、日本と世界で、意味合いが違うのか通じない
そもそも製材した後、かってに乾くので、MCコントロールしていないものは「”乾燥材” ではない」ので、ただの Lumber (木材)
ND ではない、もちろん AD でもない (GRN だったりして・・・、というかGRNです)
日本だけの概念か・・・・
スモークサーモンと燻煙乾燥はちょっと違うような気もするし (どちらかというとHT?)
日本は湿気っぽいから、しょうがない
広義では正しいが、狭義 (いわゆる木材の仕様,コンディション表示)では違う
JAS での人工乾燥材の規定 (Regulation レギュレーション) は
■ D-18 /MC Ave 18%
が規定される、D-25 は人工乾燥材ではなくなった
仕上げ材は、SD-15, SD-18 と表記
MC (Moisture Content) は、含水率、Ave で表示
Ave (平均) ってのがみそ、材あたり?窯あたり?ロットあたり?
わりとターゲット (Target) 的な感じ?
納得いきませんよね~ 、
材木屋は、どこの国でもそんなもんです
乾燥窯 (Kiln) で、乾燥中の工場内リアルタイムモニター
位置によって乾燥度合いが違っている
この数値のAVE(平均) がターゲットに達すればおしまい
リアルタイムモニターでは、1~8の場所で、
現在値 含水率 23.8~36.3% の、ばらつき
現在平均 29.4%、最終的な平均のターゲットは、18.5% のようです
通常の KD材は、MC 表記は、AVE (Average) で、明細 (Package Tally, Detail) の Grade,Condition に記載されている
EMC (Equilibrium Moisture Content 平衡含水率)
これは、平衡含水率以下まで乾燥させても、外気の湿気で、平衡含水率まで戻っちゃうって数値 (ターゲットに使う)
たとえば、EMC 20% の木材を MC 10% まで乾燥させたのに、「倉庫に置いておいたら、MC 20% になっちゃった」ってこと
と、言うことは、生木を天干すると、EMC に落ち着くってこと (樹種によって数値が違う?)
また、一度 EMC に達した木材は、注入しないと含水率が変わらない (とか?)
※HEM を12%まで乾燥させても意味がないとか言われるのは、このEMC的な話
間違ってたらごめんなさい、詳しい人に聞いてください
KDAT (KD After Treatment)
めったに見ないというか、ごく当たり前に行われている「薬剤注入 (トリートメント) を、KD してから行う事」を指す
※ 加圧注入 は、まんま、プレッシャートリート (Pressure-Treat) という
※ AST (Anti Stain Treatment カビ止め) は、KD材 には行わない
※プレーナー (トリートメントではない) の事ではない
不燃注入は、さらに 再KD するとか・・・
防腐処理も同じような 加圧注入窯 で行う
WWPA (Weatern Wood Products Association) の MAX MC とは?
MAX MC これは、2X4 (Dimension, Flaming-Lumber) 材のグレード表示で見ることができる
スタンプの表示 (あまり気にしている人はいないが、)
■ Below (Max)19% : AD (Air Dry), KD,
S-Dry (KD, Surfaced Dry 表面乾燥), KD-HT
■ Higher Than 19% : S-Grn (Surfaced Green 製材したて MC19%以上)
■ Max 15% : KD-15, MC-15
2X4 (Dimension) スタンプの KD-HT は、HT + KD (MC 19%) を保証している
スタンプで表示とか、なんのことやら
//
JAS の D-25 が乾燥材から外れたのは、これに合わせる為?
枠組壁工法構造用製材
及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格
によれば (たぶん平均)
■ 未乾燥材 : 含水率が 19%を超えるもの
■ 乾燥材 : 含水率が 19%以下のものをいう
J-Grade 2×4 は、COFi のサイトのスタンプを見ても書いてないが、
KD-HT (MC MAX 19%)
広葉樹は、MC 5% くらいまで落とす
針葉樹の人と感覚が違う
木材乾燥の話はあまり深く考えないほうがイイですよ、
沼にはまってびちょびちょになります (EMC 以上はしみ込みませんが)
人間の手は凄い!なんか湿ってるなぁと念のため測ったら・・
まるっきり生、カビてるし
その後?知りません
(安心してください乾燥機に入れました)
カビゴン