吉条理事長(都木連会長)
10月4日、午前10時30分、天野洋一郎実行委員長(東京材木商協同組合・理事長)による開会宣言の後、記念式典に移り、主催者を代表して吉条良明都木連会長(一般社団法人東京都木材団体連合会会長・当組合理事長)は、その挨拶の中で、
「本日は、休日にもかかわりませず、ご来賓各位のご臨席を賜り、会場には、大勢の皆様にご来場をいただきました。誠に有り難うございます。厚くお礼を申し上げます。有人宇宙船のスペースシャトルが初飛行に成功した昭和56年に、第1回の「木と暮しのふれあい展」を、日比谷公園において開催しました。当連合会独自の木材PR活動としてスタートし、第5回から東京都の共催をいただき、内容の充実を図りながら、今回で34回を迎えました。平成7年からは、江戸時代より木の街として栄えたこの木場公園で継続して開催していますが、この催しが恒例行事として定着し、昨年は5万人のご来場をいただきました。永年に亘ります皆様のご支援により、このように盛大に、「木と暮しのふれあい展」を開催できますことを、心より感謝申し上げます。御嶽山が7年ぶりに突然噴火しました。自然の驚異とともに、110ものの活火山をかかえる危うさを警告するものでありますが、今年も、全国各地で記録的といわれる異常気象による被害が多数発生しました。冬には、豪雪による交通網の寸断と住民の孤立が引き起こされたほか、夏には、昨年の伊豆大島に続き、広島で記録的な集中豪雨に伴う土砂崩壊、土砂流が発生し、多くの方々が被災されました。日本ばかりでなく、カリフォルニアでは、500年に一度ともいわれる大干ばつに見舞われ、極度の乾燥による山火事が頻発し、東京23区の面積の1.5倍に相当する森林が消失しました。平成4年、ブラジルにおいて開催された「地球サミット」で問題提起された地球温暖化による影響が、遠い世界の出来事ではなく、身近な異常気象として、常態化、深刻化しつつあり、私達の生活に大きな脅威を及ぼすばかりでなく、地球温暖化の原因である二酸化炭素を吸収する森林を喪失させる忌々しき事態を招いています。地球温暖化対策が一段と緊急度を高めており、二酸化炭素を吸収固定する森林の育成につながる木材利用を、なお一層進めなければなりません。一方、月例経済報告では、緩やかな回復基調が続いているとされているものの、新設住宅着工戸数については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により減少しています。今後も、消費税率10%への引き上げの動向や、急激な円安に伴う物価上昇による消費マインドの後退が想定され、木材需要の先行きに陰りが懸念されます。我々業界の数年来の要望が実現した、画期的な施策である「木材利用ポイント」事業が、対象樹種の追加とともに期間延長されましたが、工事着工は9月末日までとされました。先行きが不安視される木材利用をより一層促進するため、補正予算による一過性の経済対策に終わることなく、事業の継続が強く望まれます。また、今回の会場では2020年のオリンピック・パラリンピックの東京開催を記念して、前回の東京大会でのポスター・写真が展示されていますが、オリンピック・パラリンピックでは、選手、競技関係者をはじめ世界各国から訪れる大勢の方々に、日本の良さ・文化を披露するまたとない機会となります。我が国の数ある文化を代表する、世界に類のない「木の文化」を大いに発信するため、競技会場、選手村などインフラ整備において、木材が大いに利用されるよう切望するところです。この「木と暮しのふれあい展」に続く今月15日に、(一社)全国木材組合連合会主催の「全国木材産業振興大会」が、当連合会の担当により、有楽町の東京国際フォーラムで開催されます。年に一度、全国の木材業界関係者が一堂に会し、木材需要拡大に対する決意を表明し、全国に発信する一大イベントです。開催に当たりまして、協賛のご協力をいただきました関係団体・企業の皆様に、本席をお借りして、御礼申し上げますとともに、木材需要拡大の機運を大いに高めるため、この大会に大勢の皆様のご参加を賜りますようお願い申し上げます。「木と暮しのふれあい展」では「森を育てたい。だから木を使おう。」、「受け継ごう。日本の文化、木の住まい」をテーマとして、木材の利用が森林の健全な育成に不可欠なものであり、地球環境を守り、私達の生活に貢献すること、また、木造建築に象徴される我が国固有の「木の文化」の継承を訴えています。ご来場の皆様に、この想いをご共感いただければと願っております。会場では、多くの皆様が、木と触れ合い親しんでいただける催しを、数多く準備しました。木の良さを、肌で感じていただき、木材に対するご理解を深めて下さいますようお願い致しまして、ご挨拶と致します」と述べられた。
また、山本隆東京都産業労働局長が式辞を述べ、次いで、来賓の牧元幸司林野庁林政部長、山譜鼡P東京都議会議員、山附F明江東区長が祝辞を述べられた。
続いて、アトラクションとして、アルプホルン演奏・詩吟発表・木場の木遣・キャラクターショー(烈車戦隊トッキュウジャー)などが演じられた他、前回に引き続き全体企画として「緑の募金」に協力すると共に来場者に出来るだけ多くのブースに立ち寄って頂く事を目的とした「ラリー形式イベント」を当組合が企画担当した。今回は「組み木ペン立てラリー」(各ブースで配付される部材を集め組み立てる)として参画9団体の協力を得て行われた。
また、木に親しむコーナーとして当組合をはじめ、材商、新東京、木場製材、原木、銘木、都買連、都林業研究グループ連絡協議会、都農水振興財団・東京緑化推進委員会、関東森林管理局東京事務所、都森連、都椎連、都合連、TOKYO木材ネットワーク、都立城南・城東職業能力開発センター、東京中小建築業協会、全建総連東京都連、生協・消費者住宅センター、大多摩観光連盟の出展19団体に及ぶテント張りブースに於いて木製品等の展示・即売の他、多種多様な体験型イベントが催され盛況であった。
当組合では全企画を看板で掲示すると共に、木工教室の完成品、樹種当てクイズ、かんな削りコンテストの賞品、景品を展示して組合企画のPRに努め、木工教室、樹種当てクイズ、手がたの切り抜き、かんな削りコンテスト、親子でドミノ倒し、木製品販売、木の掘り出し市、当組合マーク入りチラシ持参者に対する粗品の贈呈等を夫々実施した。新企画としては、木工教室の折りたたみ式レジ袋スタンド・ティッシュケース、かんなくずのプール&すべり台、ほだ木作り体験、木のダンベル色付け、動物将棋対戦を加え、継続して参加される方にも楽しんで頂ける様に工夫した。実演企画として「けん玉パフォーマンス」を2日目に予定していましたが、雨天の為に中止した。その他、全体企画の「スタンプラリー」には、当組合は木のハガキ(来年の自分に宛てたハガキ)を対象イベントとして参画した。今回の「チャリティーオークション」は当組合の担当であり、組合員からチャリティーオークション用の物品を多数提供して頂いた結果、1日のみの開催にも拘わらず前回を上回る売り上げを記録した。
当組合ではこの様に多岐に亘る企画を催し都民の皆様に広く、木材の良さを実感して頂いた。
イベント2日目の5日(日)は雨天の為、全体企画としては、組み木ペン立てラリー、木工教室キットと苗木の配布等、予定を変更して実施した他、キャラクターショーを休憩所のテント内で催した。当組合企画もテント内で実施出来るものに限定して催したが、台風接近に伴い、安全面を考慮して時間を繰り上げ、午後2時半閉会となった。
「木と暮しのふれあい展」開催に当たり、ご尽力くださった役員各位はじめ、市場振興委員及び指導員、環境造林運輸委員、文化厚生労務委員及び青年部員、イベント協力者の組合員及び従業員とそのご家族の皆様、及び事務局職員の皆様、誠にお疲れ様でした。
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