この度の役員改選のための総代会並びに理事会におきまして、理事長にご推挙頂きました庄司良雄でございます。
2022年で116年を迎える歴史と伝統ある東京木材問屋協同組合の理事長をお受けすることは、大変身の引き締まる思いであり、幾多の先達と組合員の努力の上に成り立ち、歴代の組合長・理事長が築き上げてこられた当組合、そして木材業界の更なる発展のために尽力致す所存でございますので、今後とも変わらぬご指導ご鞭撻の程宜しくお願い致します。
さて、当組合が運営する木材会館は、先々代の吉条理事長の木材への豊富な知識と深い愛情、木材需要の喚起に繋げたいという熱意、(株)日建設計の都市建築における木材の復権をテーマに掲げ、木材を適材適所に使用した開放的で快適な空間デザイン、大成建設(株)の一切の妥協を許さない設計に応える高い技術力、その3者が建築基準法に挑戦した結晶であります。2009年の竣工から10年以上を経過しておりますが、今も尚、国内外を問わず、関係者から一般の方に至るまで、見学者や貸室の利用者が絶えず、多くの人々が集う「木のまち新木場」のランドマークとして定着していると認識しております。昨年度に大規模修繕工事を施工したところ、見違えるほど奇麗になりましたので、今後も木材の優しさ・強さ・美しさを具現化し、鉄とコンクリートでつくることが常識とされてきた高層建築に楔を打つ先駆者となった革新的な建築物として、都市部での木材利用の参考例、また、改正公共建築物等木材利用促進法の施行に伴う公共建築物から建築物一般での更なる木材利用促進に貢献出来る様に尽力して参ります。
木材業界の動向としては、木材の新たな活用方法が各方面で生み出されている中、コロナ禍でウッドショックと呼ばれる木材の価格高騰が起こり、木材の主な輸入先の一つであるロシアからの供給が不透明な状況を踏まえ、国産材の安定的且つ持続的な供給体制の構築に向け、木材業界が一丸となって取り組むことが急務となっております。
木材は古くて新しい素材であり、古いだけのものは廃れ、新しくても良くないものは滅びます。
当組合では、木材需要の拡大に向けた新たな試みとして、木の良さを科学的データに基づき数値化し、一般の消費者に向けて広く発信するため、千葉大学(宮崎良文名誉教授、池井晴美特任助教のグループ)との共同研究を実施することに至りました。また、交通広告企画として、都内の通勤電車内で「木力 / もくりょく」に関する内容の木製中吊り広告、電子広告の公開を予定しておりますので、ご期待ください。
木材は室内の壁面等、内装材としての普及率が高まれば、戸建て、マンションの新築やリフォーム物件でも、その用途によって需要は無限であり、新しい時代に向け、組合員のための組合としての積極的な活動はもとより、木材業界の中核を担う組合として果たすべき責務も無限であると考えておりますので、皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。
新しい時代に向けて
(新理事長 就任挨拶)
東京木材問屋協同組合 理事長
令和4年5月30日