工事の記録
RECORD OF CONSTRUCTION

   
製材所の視察(その2) << 製材所の視察(その1):メイン:木材選別場の視察 >>

先程の製材所から車で1時間移動し、もう一つの製材所を訪れました。一つ目の製材所と同じく、皮剥き機から製材機、乾燥炉を持っています。こちらでは調度乾燥し終わった炉があり、中をのぞく事ができました。
木材の扱いで重要なのが含水率です。含水率というのは、木の単位体積当たりの水分量のことで、含水率が低ければ材が乾燥しています。製材品では、大気中にさらして乾かした状態であれば、日本の気候で15%(空調の影響を考慮すると屋内では10%)程度になります。ちなみに、生材の中には150%を超えるものもあるそうです。
木は水分を含んだまま用いると、大気にさらされて乾燥し、それに伴って収縮したり、反りや割れを生じたりしてしまいます。そこで通常はあらかじめ工場などで乾燥させた安定した材料を用いるわけです。
こうした人工乾燥でポピュラーなのが高温蒸気乾燥です。乾燥時間が短く、表面が硬くなるので表面割れが少ない方法なのですが、乾燥時に材の色が変化し明度が下がってしまいます。
工場では、材色の変化をさせない方法として高温セット処理という方法を伺いました。高温セット処理は高温乾燥のうち最初の蒸し煮と高温・低湿処理までを行い、その後は中温の蒸気乾燥式などに移行させる方法です。高温での蒸気乾燥の時間を少なくすることで、表面割れを防ぎつつも材色の変化をある程度防ぐ事が出来ます。
この他にもさまざまな乾燥方法があり、それぞれ長所と短所があります。今回の建物でも、それぞれの条件に応じた乾燥方法を選定していきます。
by NIKKEN SEKKEI.ltd :2008-04-10:木材の工事:

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