文化厚生委員会 青年部 ~活動報告~
青年部「第1回チケットサービス」(歌舞伎観劇)
2017.02.19
前回ご好評を頂きました歌舞伎観劇のチケットサービスですが、今回も多くの方にお申込み頂きました。
今回は、歌舞伎座で猿若祭二月大歌舞伎(昼の部)を観劇致しました。
歌舞伎座は東銀座駅に直結しており、改札を出ると木挽町広場へと繋がっています。木挽町広場は、大小の提灯の中、和菓子、和小物などの出店が多くあり、芝居町の雰囲気を楽しむ事が出来ます。歌舞伎座のロビーも同様で、観劇中に頂くお弁当は勿論、お土産も数多く売られています。一般的に劇場の客席内は飲食禁止の場合が多いのですが、歌舞伎座では客席で頂く事が出来るので、お好きな物を買って客席に向かわれると、楽しさが増す様に思います。客席には外国の方も見られ、日本の伝統文化への興味の高さがうかがわれます。また、着物姿の女性の多さからも日本文化を感じました。
猿若祭二月大歌舞伎、昼の部は4つの演目が上演されます。
一、「猿若江戸の初櫓」
江戸歌舞伎の発祥を華やかに描いた作品で、舞踊が中心の作品です。踊りとお話が上手くミックスされており、踊りが多くある作品も楽しむ事が出来ました。中村勘九郎さんのコミカルな中にもキレのある踊り、七之助さんの美しい踊り、堪能致しました。
二、大商蛭子島
源氏再興を描いた復活狂言です。歌舞伎座では実に55年振りの上演となる作品だそうです。主人公は、寺子屋の主人。大変な好色で女房は悋気する日々。
そんな夫婦の日常を描いているのかと思って観ていますと、実は主人は源頼朝で、女房は平家方に通じる姫だということが解ります。そこからは、今までの日常の雰囲気から一転、緊迫した展開となり見応えがありました。
三、四千両小判梅葉
四千両を盗み出した男たちの生き様と人情を描いた作品です。主人公の富蔵は、主筋の藤十郎と出会い、藤十郎がお金に困っていることを知り、共に江戸城の御金蔵に忍び込みます。二人は金蔵から四千両を盗み出すことに成功。富蔵はお金を持って生き別れた母に会いに向かうのですが、途中で捕まってしまいます。その後は牢屋へ送られるのですが、この牢屋の場面が圧巻でした。間口一杯に設置された牢内に30人以上がおり、その眺めだけでも迫力がありました。その中でも富蔵を演じた菊五郎さんの演技は素晴らしかったです。
四、扇獅子
江戸の四季折々の風情を巧み描いた舞踊です。この作品は踊りのみで台詞はありません。鳶頭と芸者の踊りは華やかで、途中には立ち回りもあり、踊りのみでも楽しむ事が出来ました。
今回は、イヤホンガイドを借りて観劇しましたが、作品の内容は勿論、役者さんの名前、着物の柄の意味など、観ているだけでは解らない事が解説され、より深く作品を楽しむ事が出来ました。実際に歌舞伎を観ると役者さんだけではなく、セット転換の凄さ、三味線、鳴物の音等にも気付くことが出来て、そういった全てのものが日本の伝統文化なのだと感じました。「猿若江戸の初櫓」で描かれた江戸歌舞伎の発祥から、400年。脈々と受け継がれ、これからも継承されて行く事でしょう。
今後もこの様な機会を作り、歌舞伎は敷居が高いと感じられる方にも、歌舞伎を楽しむ切欠になればと思います。